私が23才の頃から約2年半、警備会社で機械警備員をしていた時のお話です。
今49歳なので、26年前の話になります。不動産仲介営業を辞めてから家でブラブラニート生活を送っていました。ネットが無い時代なので毎週発売される求人雑誌を買っていい仕事がないかチェックしていました。私には学歴も経験もありません。給料がいい仕事は、だいたい大卒募集や経験者募集です。そんな中で警備員の仕事がいいなと感じ思いました。基本給が18万円で夜勤手当もあります。残業をたくさんやれば稼げそうです。高卒でも大丈夫です。
警備員と言っても4種類あります。1合業務(施設警備)2合業務(雑踏警備)3号業務(輸送警備)4号業務(身辺警備)があります。私が求人雑誌でいいなと思ったのは1合業務の施設警備です。施設警備にも何種類かあって常駐警備、巡回警備、機械警備があります。私は機械警備員募集を見て応募してみました。私の経歴では大手の警備会社は難しいので、中規模の警備会社に応募しました。わりと簡単に採用してくれました。人手不足だったみたいです。警備員は昔も今も人手不足の会社が多いですね。
勤務内容
勤務は、当直勤務が9時~翌9時の24時間勤務です。0時~5時が仮眠時間です。仮眠時間中に仕事をした場合は残業手当が付きます。日勤は9時~18時、夜勤は18時~翌9時です。休日は月に8~9日です。通常の1週間の勤務ローテーションは、当直→明休→当直→明休→当直→明休→休みです。しかし人手不足の現場だったので、当直→夜勤→当直→夜勤→当直→日勤→休み。という勤務が多かったです。私としては稼ぎたかったので残業が多くて嬉しかったです。給料は手取りで25万円~30万円くらいありました。サービス残業は無くてしっかり残業代を払ってくれるいい会社でした。仕事も忙しいという訳でもないし、暇なら車の中で寝ていられるのでいい仕事だと思っていました。私の現場は7名ほどで勤務していました。コースは3コースあります。1コースの中で警備対象物件が100件~200件あります。異常信号を受信したら現場に急行して確認します。都心のコースだと物件はもっと多いです。発報も多いと思います。物件が少ない田舎の営業所に配属になってよかったです。
昼間の仕事
朝9時、営業所で朝礼と前日の勤務者から申し送りが終わったら車に乗って担当コースの待機所に向かいます。待機所に着いたら待機します。(待機所は、川の横、大きな公園の駐車場、警備対象物件の駐車場などで待機します。)待機中は寝てようがマンガ読もうが自由です。担当コース内だったらドライブしてもかまいません。資格の勉強も出来ます。昼間は、ATM障害対応で出動する事があります。お金が詰まったとかカードが出てこないなどの連絡がたまにあります。待機中の機械警備員が現場のATMまで行って鍵を開けて詰まったお金を取り除いたり、詰まっているカードをお客さんに返却したりする訳です。都内のコースだとATMが多くて大変だと思います。車の駐車場所にも困ると思います。私は郊外の比較的ATMが少ない地域に配属になったのでATM障害で呼ばれるのは週に1回くらいでした、物件が少ない郊外に配属になって本当によかったです。ゆっくり昼寝が出来ました。
夜の仕事
夜になると物件の警備が始まって侵入警報で出動する事があります。21時を過ぎると建物の最終退館者が警備をセットして帰ります。警備がセットになると無人の建物の中ではセンサーが警備しています。深夜になるとネズミが走りまわって発報したり、虫が飛んでセンサーが発報したり、空調の切り忘れで風でカーテンが揺れて発報したりする事もあります。私は東京の郊外にある営業所に配属になりました。配属になってから約1ヶ月半は実習でした。実習中は先輩社員と2人で車に乗っているので気を使ってしまいゆっくりできません。1人で勤務するようになれば気楽です。1日に平均2件くらいの発報があります。2件でもマシな方です。都心部だと5件くらいの発報はあります。操作ミスの発報が多かったです。建物の中に人がまだいるのに警備をセットしたり、警備セットしたのに忘れ物を取りに入館して発報します。こういう誤報だと現場に向かっている途中でキャンセルになります。物件にもいろいろあってって、しょっちゅう発報する物件、初めて発報する物件、があります。しょっちゅう発報する物件は安心です。「またどうせネズミだろ」と安心して検索できます。怖いのが初めて発報する物件です。今まで発報なんてした事ないのに何で発報するんだ?おかしいと思いながら、たった一人で懐中電灯の灯で暗いビル内を検索します。マネキンとかたくさん置かれていると恐怖です。廃墟物件は、壁や天井がカビだらけで酷い匂いです。地下階は真っ暗でジメジメしてリアルなお化け屋敷でした。もう行きたくないです。
退職理由ですが、車の事故に厳しくて週1回、勤務交代時に全員で車の傷のチェックをしていました。私がある車の凹みを発見して隊長に報告しました。その凹みは正面から見ただけではわかりません、斜め横から見て発見できるわずかな凹みです。そしたらその凹みを付けたのは、発見した私のせいにされてしまいました。凹ませた本人じゃないとわからないという理由みたいです。それで頭に来て退職しました。本当に私ではないんですけどね。残業が多くて給料がよかったからもう少し働きたかったんですけど残念です。