Fランクビルメンはまブログ

過去の職歴や体験談、現在の仕事を紹介しています。

第8話 鉄道のレールを溶接してくっつける仕事をしていた時のお話

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私が21歳の頃から約2年間、鉄道のレールを溶接してくっつける会社で働いていた時の話をします。

 

給料は手取りで22万円くらいでした。残業はありません。現場仕事なので、現場での仕事が終われば帰ります。休みは土日祝日です。鉄道会社の工事担当者も土日祝が休みなので、それに合わせています。ボーナスは手取りで夏25万程度、冬25万円程度でした。

 

日勤と夜勤がありますが、9割夜勤です。レールを溶接する会社に入りましたが、私は溶接はしていません、溶接する人の助手をしていました。溶接するには会社の社内資格が必要なんですが、その資格をすぐに取りに行かせてくれる訳ではなく5年ほど助手と

して真面目に働いたら取りに行かせてくれます。私は2年程度で退職してしまったので溶接の社内資格は取れませんでした。

 

夜勤の溶接作業

溶接作業時間は、3時間くらいですが拘束時間は約8時間です。移動時間と待機時間が長いです。夜22時に会社に集合して会社の車で現場に移動します。最終電車が通過するまで現場で待機します。最終電車が通過すると軌道工の人達が劣化したレールをカッターで切断して新しいレールに交換します。その新しいレールの両端を溶接してくっつけるのが仕事です。レールの長さは10m~25mくらいです。始発電車が走る前に作業を終わらせます。だいたい、いつも深夜3時頃に終わって車に乗って会社に戻って解散です。

 

現場によって会社に集合する時間が変わります。遠い現場だと21時集合、20時集合とかになります。近い現場なら23時集合とかになります。近い現場の方が早く帰れるからいいですね。

 

約20mのレール1本交換する現場だと鉄道会社の工事担当者が2人くらい、軌道工が5人~10人くらい来ています。交換するレールが長ければ長いほど人数は増えます。私の会社からは4人~5人です。軌道工の人達の仕事を見ていると大変だなと思います。重いレールを持ち上げたり、砂利をスコップでかいだりして体力が必要だしとても危険な作業だと思います。50才過ぎた高齢者の人達が多かったです。

 

溶接方法

溶接方法はエンクローズアーク溶接といって溶接棒を大きい洗濯バサミみたいので掴んで高電流のアークを発生させて溶接棒を溶かしながら溶接していきます。溶接が終わると熱処理をします。鉄のカバーをかぶせて30分ほど熱します。熱処理が終わるとグラインダーで溶接の出っ張りを削って平にします。これが失敗の許されない作業です。グラインダーでレールの上に傷を付けてしまったり、平らに出来なかったらまたレールを交換する事になってしまいます。失敗の許されない職人芸です。1mの長い鉄の定規みたいのを使って水平に削って行きます。難しいのが完全な水平にするのではなく緩やかな山形にします。熱で膨張しているので冷めてくると少し沈みます、それを計算して削ります。

 

最後に超音波機器を使ってちゃんと溶接が出来ているか確認します。ここで異常があるとまた切って溶接する事になります。当日は、もうすぐ始発電車が来るのでやり直しが出来ません。次回、やり直す日程を決めてから作業します。やり直すとなると大勢の人達に迷惑をかけてしまいます。鉄道会社の担当者や軌道工の人達にもまた来てもらわないといけません。私は約2年間働きましたが、失敗してやり直した現場は1回だけでした。ほとんど失敗しないですね。

 

日勤の作業

日勤は2種類あります。1時間程度で終わる日勤と普通の日勤があります。1時間程度で終わる日勤は、その日の夜の現場作業で使う器材の準備をします。トラックに発電機などを積み込みます。夜勤者が昼にちょっと出てきて準備をする感じです。すでに準備が出来ていれば昼に出てくる必要はありません。普通の日勤は、鉄道会社の工場で20ヵ所くらい圧接溶接します。7時に会社に出勤してみんなで車に乗って鉄道会社の工場に行って溶接作業して、17時頃に帰ります。真夏の暑い日に圧接溶接はキツイです。汗びっしょりになります、鉄を削るので服が鉄粉だらけになります。

 

職場の雰囲気

職場の雰囲気はとてもよかったです。20代~50代の人達が働いていました。社長も素晴らしい人でした。社員によく焼き肉をおごってくれました。

 

退職理由

なんで2年で退職したかというと、危険な事が何度かありました。

①電車にひかれそうになった事が3回ほどあります。深夜にレール溶接作業をしていると隣の線路に臨時電車や貨物列車が通る事が、たまにあります。事前に電車が来る事は知らされていますが溶接作業しているとその事をすっかり忘れてしまって道具の準備をして歩きまわってウロウロしていたら真っ暗な中を走ってくる電車にひかれそうになりました。「この仕事は危ねーわ;;」って思いました。電車が接近してくると見張り員が笛で知らせてくれますが、すぐそばで笛を吹いてくれるならいいんだけど20mくらい離れた場所で笛を吹くと気づかない事もあります。

 

②グラインダーで手を切りました。左手親指にあるこの傷はレールの溶接部分をグラインダーで削っている時に切ってしまったものです。27年前に出来た傷ですが、また残っています。私は小さい傷で済みましたが、太ももをグラインダーで切ってしまって救急車で運ばれた人もいます。いつか自分も大けがするんじゃないかと思いました。

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③この左手首にポッコリしている部分がありますが、これはレールを削っている時に大きい削りかすが手袋の中に入ってしまい火傷して出来たものです。当時は大きい水ぶくれが出来ました。27年経ちましたが火傷の跡が残っています。

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④この仕事を始める前は視力が2.0ありましたが、仕事を始めてから2年間で0.6まで下がりました。メガネが必要な生活になってしまいました。溶接の強い紫外線が目に入ると

角膜が炎症を起こします。電気性眼炎といいます。目を焼いてしまうと激痛が襲ってきます。目が開けられず涙が出っぱなしです。3時間~4時間程度激痛に耐えると自然に治ります。これが何回もありました。何回も目を焼いていると視力低下の原因になるみたいです。溶接する人はマスクをしているから溶接の光は見ませんが私は溶接の助手をしていたので、溶接中に道具の準備の為ウロウロ動き回っていたので溶接の光が目に入ってしまって目を焼いていました。

 

⑤会社から現場まで車に乗って移動するんですが、9割の人が喫煙者なのでみんな車の中でタバコを吸うので車内が喫煙室状態になります。私はタバコを吸わないのでこれが一番きつかったです。タバコを吸う時に少し窓を開けてくれますが、何人も吸うと車内がタバコの煙で充満します。私は喉が弱いので近くでタバコを吸われると喉がイガイガしてきてゴホッゴホッと咳が出てしまうんです。タバコを吸っている人の横で私がゴホッゴホッと咳こんだらイヤミに聞こえたかもしれませんね。

 

定年までこの仕事を続ける事が出来るのか自分なりによく考えた結果、退職する事にしました。社長も社員のみなさんもいい人だったので辞めるのは申し訳なかったですね。大けがしてからでは遅いですからね、次の仕事はあまり危険ではない仕事を探す事にしました。今回の仕事は、いい経験と勉強になりました。